TRPは仲間と一緒に楽しむのはもちろん、一人ではないというLGBTQ当事者に勇気をくれる場。参加者みんながつながる場であってほしいと願いながら、ステージのキャスティングや構成を考えています。昨年以上の盛り上がりを見せているTRP2023のステージにはどんな想いが詰まっているのか、コンテンツ企画制作局長/ステージリーダーの臼田に語っていただきました!

すべての垣根を越えて、誰もが楽しめるステージ!

−−2023TRPステージの⾒どころは?

⾅⽥:今年のステージ構成は「アーティストライブ」「⼤使・政治家のスピーチ」「公募映像」の3つ。“⽇本が変わっていくことを私たちは望みます”というテーマを掲げているので、各国駐在⼤使館⼤使や各政党代表者スピーチ、国内外で活躍しているアーティストなど、⽇本のPRIDEを⽇本だけでなく世界に向かって発信することを意識してブッキングしました。
そして、今年のヘッドライナーは歌⼿⽣活59年とひとつの業界で⻑く深くキャリアを積まれている美川憲⼀さん。演者の幅を広げつつ、すべての垣根を越えて参加してくれた⽅が楽しんでもらえるステージ作りを⽬指しました。

TRP2023ステージのタイムテーブルはこちら

−−アーティストライブやスピーチだけでなく、ステージビジョンやビジョンカーも注⽬を集めているそうですね!

臼田:ステージビジョン及びビジョンカーでは、一般から募集して選考した映像作品を4本上映します。短編映画「手のひらのパズル」、そしてドキュメンタリー作品「変わるまで、生きる」では“幸せの形”を考え直してもらう、“当たり前”を見直してもらうきっかけになったらいいなと思っています。また、会場に設置しますビジョンカーでは「2022LGBTQ ALLY 100人からのメッセージ」を繰り返し上映させていただきます。“誰もが誰かのALLYになれる”“ALLYはここにいるよ”というメッセージが込められています。

「LGBT×演劇」もセクシュアルマイノリティの表現者と理解者で構成された劇団が今の世の中に思うリアルな声を発信しています。この映像公募は今年はじめての試みですが、アーティストパフォーマンスに関しては毎年一般公募をしています。応募いただいたすべての皆様の思いや願いを叶えたいと思いつつもなかなか難しいのが現実……ですが、可能な限りパフォーマンスできる場を提供できたらと試行錯誤しています。

「時が来た!」⻑年の積み重ねが今につながっている

−−盛り上がりが楽しみなステージですが、キャスティングで⼤
変だったことは?

臼田:私がTRPのステージリーダーを務め始めた7年前は演者さんのブッキングにとても苦戦しました。「なに、そのイベント?」と長く理解されてこなかった時期を経て、少しずつ認知されるようになって。

そういう時代が終わり、今年やっと「時が来たな」という感じです。TRPやイベントを理解してくれる方が増えたのは、これまで出演してくれた演者さんの相乗効果は大きいですね。以前に比べオファーはしやすくなってきています。

−−TRPのイベントとフェスの関係性について感じることは?

臼田:そもそも自分自身ステージリーダーとして、何をするべきかを考えながら制作を続けています。TRPの視点からいえば「LGBTQ」という単語の訴求と当事者とイベントの可視化、それらを担うのがステージの役割だと関わると決めた時から強く意識してきました。ステージに立つパフォーマーたちの力を借りて「ここに当事者がいる!」「TRPというイベントがある!」「LGBTQという言葉を知ってほしい!」と訴求を続けてきました。そうした思いがある上で、TRPのイベントはプラットフォームであり、みんながつながる場になるよう毎年開催しています。アーティストだけでなく、公募による出演者、シンポジウムや大使のスピーチなど、ステージに登壇する人とTRPの参加者に向けてどういうものを発信したらいいのか、毎年テーマに沿って考えています。

−−これまで継続してきたことが訴求力になっていると

臼田:出演してくれる方がなかなか決まらず、そういう時代が長く続いていましたが、やっと風穴が開いてきたように思います。社会の動きとともに盛り上げてくれる著名人の方が増え、影響力のある方々がステージに出てくれるようになって……本当に大きく変わってきました。演者の皆様の力を借りて発信してきたことが積み重ねられ今につながっているわけですが、「そこになんの意味があるのか」と問われることもこれまで多々ありました。でも「意味は結果でしか表現できない。」と、私自身どこか腹を括って臨んでいるところはあります。だからこそ「社会が変わる」それを担うステージ作りを続けていく、この役割を引き続き担っていかなければと考えています。とにかく可視化と訴求力に必死でしがみついてまだまだやっています(笑)

エンタメの力で社会課題や問題意識を訴求したい

−−TRPを通じて、ご自身が一番やりたいことは?

臼田:私はエンターテインメントの業界に20年以上携わってきましたが、日本のエンタメに少し違和感を持っている人間なんです。どんな違和感かというと、社会の動きと日本のアーティストが表現するコンテンツが乖離しているなって。

例えば欧米のアーティストは社会問題に対するメッセージを歌った曲を当たり前に生み出しますし、パフォーマンスの中にもきちんとアクションが入っていて自らの言葉や意思で発信していますよね。そういうアーティストたちが何十年も前からたくさんいます。日本と欧米でアーティストの動き方やその影響力の使い方が違うことに若い頃からずっと疑問を持っていた私がTRPとつながりが生まれたことで、自分が思い描く理想に近づけるかもしれないと。エンターテインメントと社会運動が寄り添うものをコンテンツとして作ってみたいし「なぜないのかな?」と必要性を感じたから一生懸命トライしているんだと思います。

そして私の場合はシンプルに、本業で培ってきた力と知識がそのまま活かされるなら、やったほうがいいんだろうなと思って今に至ります。

−−TRPに興味・関心がある方に向けてメッセージをお願いします

臼田:TRPを通じて「何かを考えるきっかけ」になってもらえたらいい。ちょっと遊びにきて「あ、こういう感じなんだ」「楽しいな」だけでもいいんです。LGBTQは、当事者でないと自分から距離の遠いものであり、関係ないものと捉えてしまいがち。

身近なところにその存在が在ることを知る・つながるきっかけになれたらと毎年思っています。その取っ掛かりを少しでも自分が作れたら嬉しいですね!

 

ただ華やかに盛り上げるだけではない、エンタメと社会運動の融合を発信していきたいとステージリーダーとしての強い思いを話してくれた臼田。「自分らしさとは?」「多様性とは?」「Happyな社会って何?」など、あらためて意識する場として、TRP2023のステージを楽しんでください!