毎年多くの方が参加するTRPのボランティアについて、意外と多いのが「何をしているの?」という声。興味はあるけど、もう少し情報がほしいという方の参考になればと、一般参加やボランティア活動を経て運営チームで活躍しているファンコミュニティ部門のTAOとキヨに語っていただきました!

変わりたい、学びたい、活かしたい!TRPは刺激の宝庫!

−―TRPの活動に関わってよかったことは?

TAO TRPメンバーはいろいろなセクシュアリティを持つ人がいて、それぞれの考えや経験があります。そんな人たちが一つのイベントに向かってがんばる、これが自分のやりたかったことだと今になって思います。 

キヨ:自分が想定していない大人の姿を見ることができるのは大きいかも。以前の私は、LGBTQ当事者の仲間がほしいと思いながらも普通の女の子にならなくちゃと必死でした。「男性ウケする女の子」「学校に行く」そんなことでクヨクヨしていたし、人と合わせられないとダメだと悩んでいて……。でもTRPメンバーはいきなり留学したり、自分のセクシュアリティを堂々と伝えている人がいますよね。

TAOいるいる(笑)これだけの多種多様な人が集まれば、必然的に一人ひとりの背景は違っていて当然。それを活かして何かひとつのものを作り上げるのは集団の強みだし、一人じゃできない。TRPの活動は、自分が助けることもあれば助けてもらうこともあります。

キヨ:人と違うことで別の何かを引き出せるのがTRP。「らしく、たのしく、ほこらしく」というTRPのモットーと明るさに救われたし、こういう生き方もあるんだとポジティブな思考に変わったなと思います。

TAOうん。いろいろなセクシュアリティの人たちと関わるって実はスゴイこと。「第三の場」というか、プライベートや仕事とは違う自分の居場所がある感じ。

キヨ:私も仕事や学校では出会えない人たちと巡り会えて本当に良かったと思います。

TAO今の時代、どういうセクシュアリティの人かパッと見ただけじゃわからない。TRPメンバーは普段の関わり合いより深いところで繋がれるなと思います。

ボランティア同士の交流ができるリアルの場が大好評!

−―TRPボランティアの活動内容は?

TAO:代々木イベントの場合、パレード、ステージ、物販、総合受付、TRPサポーター、会場、救護の7セクションがあり、申込時に希望するセクションを選んでもらいます。そして、どうやってTRPと関わりたいかヒアリングします。

キヨ:ボランティア参加者が「やりたい」「がんばりたい」と思うことに挑戦してもらえるよう配属を決めていますよね。

TAO:そう。基本は自分が興味あること。希望したセクションを優先的に参加してもらいます。

キヨ:初めましてだから言えない、できないといったことはないですよ。

TAO:うん。最低限守ってほしいルールはあるけど強制はしない。TRPとして、その人らしさを尊重してあげたいです。熱心にがんばっている方は運営チームからスカウトすることもあります!

−―ボランティアに参加した方からの声は?

TAO:毎年アンケートを取っていますが、すごく楽しかった、いい経験になったと暖かい声をくれる方もいれば、もっとこうすればと指摘をいただくこともたくさんあります。そういう声も本当にありがたく、運営として何が足りなかったのか、どうしたら改善できるかを考えます。
運営としてみんなが活動をしやすい環境でボランティアをしてもらえるよう改善していきたいなと思いますね。

キヨ:それこそ居場所としてTRPを求める方もいて、ボランティア内でもっと交流したかったという声もありました。

TAO:そこ、大事ですね。ボランティア同士で仲良くなりたい、またここで会いたいという声は多く、それがTRPに求めていることなんだなと再確認しました。その思いはファンコミュとしても大事にしたい。実際に交流できる場を設けると喜ばれるし、参加率も上がります。今年の参加者は、特にそういった交流やつながりを求めている人が多いように感じました。

キヨ:参加者から「今年も会えた!1年ぶり〜」という会話が聞こえると安心しますよね。

TAO:だよね(笑)お互いの生存確認とか。

キヨ:レインボー同窓会ってこんな感じかなって。TAOさん、他にもあります?

TAO:ボランティアの方と接すると、その人らしさというか、光るものが見えてくるんです。そういう方たちが来年、再来年と参加してもらえると自分も嬉しくなります。

TRPが発信する新しい交流の場「TRPスクール」

−―「TRPスクール」とは?

TAO:TRPスクールは、さまざまなセクシュアリティを絡めたフリースクール形式で行っている交流の場です。今はオンラインがメインで毎月1回の二部構成。一限は講師を招いてLGBTQやセクシュアリティに関わる内容の講義、二限は講義の質疑応答と座談会をするアフタースクール。これを継続的に開催しています。

キヨ:学校なので一限、二限と呼んでいるのですが、一限で会話の入り口を広げて二限でいわゆる放課後のおしゃべり会をします。カムアウト(カミングアウト)を強いる場でなく、気軽に参加できる井戸端会議のような感じですね。そもそも当事者の中には校則や制服など学校に対して拒否感を持つ方もいます。「学校に居場所がなかった」という話から、学んだり、おしゃべりできる場を提供しようというのがTRPスクールの始まりです。

TAO:今後はリアルイベントもやりたいですね。大人の社会科見学とか。

キヨ:体育と題してスポーツカルチャーを学ぶ話も出ていますよね。

TAO:いいですね!代々木イベントだけじゃない、我々はいつでも場を用意しているよと伝えたいです。

キヨ:当事者の可視化と場作りはTRPの指針ですから。そこを担保しつつ、ファンコミュニティチームがおもてなしできたらと思います。

※TRPスクールの講義の様子(第1回目)

TRPの原動力は参加者の笑顔!

−―自分の中の変化や成長など感じることは?

キヨ:できることとできないことがあって、それを補い合える仲間がいるのはすごくいいこと。できない=ネガティブではないとTRPの活動から気づきました。出会った人が必ずしも同じ方向を向いているわけではない。そういう人たちが集まってイベントを作り上げていくことに自分が進めるようになったのは大きな変化ですね。

 

TAO:自分は深く狭く考えるタイプだから第三者の意見や立場に救われている部分はあります。いろいろな価値観に触れて他の考え方ができるようになったし、みんなの笑顔や感謝はすごく嬉しい。それに、いい意味でTRPの活動と本業が活かされています。 

−―TRPに興味を持たれている方にメッセージをお願いします!

キヨ:自分のままでいいんだ!と思える笑顔は本当に最高!ハグできる相手がいるのを見るとよかったと思うし、参加者たちの笑顔を見た瞬間、マジでよかったと思います。

TAO:本番の笑顔に救われること、すごく多いです。忙しくて大変だけど、みんなが楽しくイベントに参加しているのを見るとね。

キヨ:もう達成感の嵐!

TAO:やっと……と思う反面、もう終わっちゃうのかと。それに運営側になると広い視点で全体の状況を照らし合わせるので勉強になるし、それが他の分野でも活かせるのは強みだと思います。キヨさんは本業がセラピストだから、イベントでマッサージとかできそうだね。

キヨ:足つぼマッサージはいけますね(笑)将来について、明るい気持ちで進学先を選べるようになったのもTRPのおかげ。参加される方、現在の自分に向けて、未来の自分に向けて、何か見つけ出してください!

 

一般参加やボランティアというきっかけから新セクション「ファンコミュニティ」の要として活躍しているTAOとキヨ。これからのTRPスクールもぜひ注目してください!